『君、花海棠の紅にあらず』では、様々なことが描かれていて奥深かったですね!
今回は、その中で、後進に贈った言葉をいくつかご紹介できればと思っています。
まずは、商細蕊の才能と芸を認めた寧九郎の台詞からです。
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君花海棠の紅にあらず 36回 気になる台詞
寧九郎篇
「常に舞台と現実のはざまにあり虚構の生を送るのだ。
人として役者としてよく心得ておけ。
その虚構の中で確かなものを掴み決して手放さぬよう。
それが生きる縁となる。」
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舞台と現実のはざまにあり虚構を生きるのが役者と言っていますが、
商細蕊の才能と実現するためのパワーについては、早くから見出していました。
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君花海棠の紅にあらず 29回 気になる台詞
「この子は芝居の時だけではなく、夢でも現実と虚構が一緒になる。
骨の髄まで役者なのかもしれない。」
「お前は今の外の空気と同じだ。
どれほど分厚い煉瓦越しでも最後には隙間を見つけ出し、光を送ることができる。
私にはどれだけお前が必要か、京劇にもお前が必要なんだよ。」
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寧九郎が商細蕊の才能を大切にしていたことが伺えますよね。
冒頭にご紹介した台詞の前後で、商細蕊に後を託したいと、以下のように伝えていました。
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君花海棠の紅にあらず 36回 気になる台詞
「弟子にしなかったのは私の心の中で友と見なしているから。
お前を守るのは梨園の苗を守ることに等しいのだ。
私たちは同じ木になる果実。
惜しむ必要などどこにもありはしまい。」
「お前は役者に必要な体と声を持っている。
芝居への深い理解と鋭い感覚もだ。
私が去ればお前は梨園で孤独になるだろう。
困った時に相談する場所もないかも、あまりにも人気ゆえに誰かに恨まれるかも。
求められることもあるはず。
知己は二人とおらず、道は険しいはずだ。」
「(確かなものとは)人それぞれだ。
己の運命を見つめ、その手で探せ。」
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次に、義父の商菊貞といえば、お尻ぺんぺんの印象も強いですが、その時の言葉は、父の教えでした。
厳しいですが、このような教えがあったからこそ、きっと老板となった商細蕊がいるはずですよね✨
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君花海棠の紅にあらず 7回 気になる台詞
「圧倒的と思われるまで芸を磨け。
他人より芸が少し優れている程度では人はお前を妬んで足を引っ張り陥れる。
誰も追いつけないほどの唯一無二の役者になったとしたら?
彼らはお前を敬い、恐れ、神であるにかのごとく崇めるだろう。」
「今後とてつもない困難にぶつかっても胸を叩いて自分を鼓舞しろ。
それを乗り越えた時、今のお前の悩みはちっぽけだったと分かる。」
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こうして育て指導をしてくれた義父からのバトンを受け取らなければならなかった時を思い出したシーンもドラマでは出てきました。
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君花海棠の紅にあらず 29回 気になる台詞
「ある日振り返ったら、養父は棒を杖にし、息を切らせて私を見てました。
その時やっと養父の衰えに気づき、怖くなくなりましたが、喜べませんでした。
年に負けたんだ。
時は誰にも止められない。」
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最後に、様々な経験を乗り越えた商細蕊自身が次の世代、弟子たちを奮起させた言葉を。
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君花海棠の紅にあらず 43回 気になる台詞
「男役か女役であるかはもちろん役者の性別すら関係ない。
人の心を得た者が勝ちだ。
人の心を掴めば梨園の王になれる。」
「芝居は仮の世にすぎぬと人は梨園を軽んじるが
私に言わせれば現実の世も真実とは限らない。
舞台の上では役者が王で観客は臣下だ。
役者が泣かせれば観客は泣き、笑わせようとすれば笑う。
本物の皇帝を除き、ここまで人の心を動かせる者はいない。
至高の生業だ。」
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本当にその通りですよね。舞台でもドラマでも映画でも私たちが魅了され、深い気づきを与えられるのは最高の仕事をしてくださる明星さんをはじめとした制作陣のみなさんのお陰ですよね!
何度見てもその都度気づきを得られそうなドラマと思っています。